神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

時間について考える

macky-jun2008-07-18

 英国の天文学者M.W.オーベンデンが自著「宇宙の生命」の中で示す、宇宙時間で人間の歴史を計り直して(人生の時間で換算して)みると、6年位前に地球上に原始的な生命が誕生。1年前に恐竜が歩き回っていた。最初の人間が出現したのはつい昨日のことである。その人間が進化して言葉を使えるようになったのは4時間前である。そしてほんの30分前に人間は都市を造り始めた。宇宙の尺度では文明の全過程は1時間ちょっと前に起こったに過ぎないのである。
 先般、洞爺湖サミットが開かれていた頃、堀場雅夫氏(堀場製作所最高顧問)が環境問題に触れてこんな事を言っていた。例えば「地球に優しく」とか「病める地球を救え」というでしょう。では「健康体の地球」とは何なのか。火の塊のような時代なのか、凍った地球なのか。46億年の地球の歴史からいうたら、人類とみられるような動物が発生してほんのわずかですよね。地球が46歳としたら10日か2週間前に発生した。地球から見れば取るに足らない存在で、それが「地球を救え」なんて厚かましい。
 オーベンデンと堀場氏との間では時間の誤差はあるものの、宇宙の悠久の時間の中では、人間の歴史は極めて短い、というのは共通の見解である。その中でいろいろなドラマが展開してきた。宇宙は神秘に満ちている。その神秘に思いを馳せると、つい厳粛で謙虚な気持ちになれる。日常的な世界から抜け、宇宙空間に漂い、自分という小さい存在を忘れ、また原点に戻れるような気がする。
 先般、50の齢を超え、人生も半ばはとっくに過ぎていることに気づいた。若い時はたっぷりあると思っていた人生の持ち時間が、いつの間にかうんと短くなっていた。これまで通り過ぎてきた時間を考えれば、残りはあっという間だ。特に最近は加速度がついているかのように時間の経過が早い。半年、一年はあっという間。一生は短い。そう思うと、この有限な時間をいかに有効に使うか、切実な気持ちになる。
 私の友人が言っていましたが「自分の歳を3で割るとそれが人生の時間」らしい。15歳なら午前5時で、まだ人生の夜明け前です。50歳なら夕方5時ちょっと前。夏ならまだ明るいけど、冬なら既に暗くなっている時間です。この考え方に依れば、1日は24時間しかないので72歳までしかカバーできません。長寿化が進む近年ではこれを3.5で割ればという考え方もあるようです。3.5であれば50歳はまだ昼下がりで、人生はこれからという「林住期」(http://d.hatena.ne.jp/macky-jun/20080127)の考え方に立てると思います。
 いずれにしろ、人生の持ち時間は人それぞれながらも、そんなに長くは残っていない。日々、悔いを残さず、坂本龍馬のように明日死んでもいい覚悟で、一生懸命生きたいものです。