神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

渡辺一枝写真展 「聖山カイラス」

macky-jun2008-05-24

 渡辺一枝さんの写真展&トークショー「聖山カイラス」が品川キャノン本社にあたるSタワーで本日行われ、元々紹介をしてくれたK女史と共に行ってきた(3/26ブログ「渡辺一枝チベット写真展」http://d.hatena.ne.jp/macky-jun/20080326参照)。大変嬉しい一日となった。先般3月にK女史から一枝さんのチベット写真展「風の馬」が地元神楽坂で行われた際に、ご招待を頂き、行ったのが一枝さんとの初めての出会いだった。恥ずかしながら一枝さんが椎名誠さんのご夫人であることも知らなかった。その後、ご夫妻の本に関心が向かい、最近は椎名さんの「パタゴニア」を読んだばかりだった。パタゴニアという地の果てのような土地への厳しい旅のエッセイであるが、副題の「あるいは風とタンポポの物語り」にあるように、全編を通して、一枝さんへの夫婦愛を感じられる温かい内容となっている。この2ヶ月間、そんなことでこの素晴らしい夫妻の書かれた著作を何冊か読んできたので、今日の話はまたひとしお感じる部分があった。
 トークショーは1:30PMから行われたが、その前に写真展を見学した。世界の大キャノンのホールだけに立派だし、キャノンの最上のプリンターを使って飾られたパネルの写真はどれも鮮やかだった。一枝さんの写真をどれも引き立てていた。今回は聖山であるカイラスへの巡礼に関する写真ばかりであるが、何年にも亘り、撮り貯められた写真はとても迫力があった。写真家としても一流の人だと思う。トークショーの中で写真のことは元々全く知らなくて、一眼レフで撮影されているのですか?と聞かれて、一眼レフって何?と知らなかったということを話されていた。ボケも一流である。K女史の話だと初期の頃の著作は夫椎名誠さんが写真を撮り、キャプションをつけていたらしい。また、一枝さんの写真につけられたキャプションは作家ならではの味のある文章が短く綴られていて、写真に花を添えている。
 トークショーは300人のホールがほぼ満席だった。スライドで写真を写しながら、一枝さんの話が進んだ。21年間もの間何度も通いつめた人の見るチベットの話は重みがあるし、他の人に真似の出来ない内容だと思った。人の出来ない事をやるところに価値は生まれるし、話や文章の面白さにつながるのだろう。朴訥にたんたんとしゃべられる姿は決して流れるような話のスタイルではないけど、聴く人の心を打つ。また、そもそも全く知らない世界の話なので面白いのだろう。日本とは時間と価値観の概念が全く違う社会であり、地球上ではそうした国々や民が多数存在するのだということをあらためて再認識した次第である。
 この日買った写真集「風の馬 ルンタ」に一枝さんがサインをしてくれた。40代最後の週のいい記念品になった。同じタワーの1Fでやっていた熊切圭介写真展「揺れ動いた’60年代の光と影」も観る。報道カメラマンの視点での60年代という時代を切り取った写真はまた面白かったし、後から振り返ってみて時代を象徴するような写真を撮れていたこと自体が凄いことだし、よくその場に居合わせたなと感心した。
 この後、K女史とはスタバで今日の感想を述べ合うとともに、いろいろな話をした。彼女は僕のブログの熱心な読者だ。久しぶりに会っても、こちらの近況を知ってくれているのがありがたい。そもそも彼女がブログを読みだしたのも、僕が一枝さんの写真展に誘われて行ったことがきっかけであり、それをブログに書いたのが始まりだった。ブログの取り持つ縁というわけか。