神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

鉄腕アトムか鉄人28号か

macky-jun2008-04-19

 「ごくせん」がまたスタートした。3作目になる。2002年に1作目がスタートし、2005年に2作目で、3年置きに作られてきた。相変わらずのコミカル熱血先生の学園ドラマであるが、やっぱり仲間由紀恵扮するヤンクミこと山口久美子先生は熱くて、お笑い系で、いざ生徒を救う時はとてつもなく強くて、カッコいい。これから毎週ヤンクミに会えるかと思うと土曜日も楽しみで、嬉しくなってしまう。仲間由紀恵ファンであることは以前、告白した通りである。
 元々、「ごくせん」も漫画からスタートした。近年、漫画がベースとなるドラマや映画が増えている。「のだめカンタービレ」もそうだった。それだけ、日本の漫画界・アニメ界はレベルが高く、海外からも受けはよく、有名な存在である。それを支える漫画界の人々も多く、裾野の広い業界となっている。世界に誇れる日本の産業で文化の一つだと思っている。
 漫画は少年サンデー・マガジンから始まり、ずっとつきあってきた。我々同世代はみんなそうだと思うけど、漫画は日常生活と密接で、読んできた漫画の影響を自身の生き方に、考え方に、大きく受けてきた。鉄腕アトム未来社会を空想し、手塚治虫の奥深い世界に触れるきっかけとなった。横山光輝鉄人28号も大好きだった。よく鉄腕アトム鉄人28号とどちらが好きだったかと聞く人がいるが、愚問だと思う。僕自身はどちらも好きだった。世界が違うのである。
 アトムは心を持つ稀有なロボットで、鉄腕アトムを読むと他のロボットも心を持ったロボットが登場する。一番好きな作品「地上最大のロボット」はそれこそ何度も読んだものだった。プルートウが世界一のロボットであることを証明する為に、世界中の有力ロボットと決闘する物語である。スイスの山案内用ロボットモンブランスコットランドのノース2号、トルコのロボット力士ブランド、ドイツのロボット刑事ゲジヒト、ギリシアの勇者ヘラクレス、オーストラリアの心優しき光子ロボットのエプシロンと次々、対戦し壊していく。アトムとは何度か戦うが、一向に勝負がつかない。そこに阿蘇山の噴火が起こり、くい止める作業を協力しているうちに、プルートウはアトムの素晴らしさを認め、戦うのが馬鹿らしくなる。 伏兵200万馬力のボラーが現れ、プルートウはやられるが、アトムがボラーをやっつけてしまう。結果、アトムが世界一のロボットとなったのだが、最後、アトムが「いまにきっとロボット同士仲良くしてけんかなんかしないような時代になると思いますよ。きっと・・・。」と締める。人間の仕向ける権勢欲、支配欲の愚かさを戒める、手塚らしいヒューマニズムな作品となっています。
この作品についてはこの方の分析が面白いです。http://www.websphinx.net/manken/labo/atom/atom.html
 一方、鉄人28号は自分で心も頭も持たないので、正太郎少年の操縦機で操られるのみである。だから、敵に操縦機を奪われると、鉄人28号は敵の思うがままの悪党ロボットとなってしまう、という構成である。当時は粘土でこれら登場するロボットを作って、対決ごっこをしていました。自分で勝手に動きまわるアトムと違って、子供としては自分の意のままになる鉄人の方が愛着がありました。
だけど、自分で考えて人生を生きていくか、他人に操縦されて終るか、サラリーマンの生きざまにも通じるテーマでもあり、ものの本質はアトムと鉄人28号を比べている以上に深いことが今だから言えそうですね。
 鉄腕アトムの「地上最大のロボット」は浦沢直樹が「PLUTO」として、それぞれのロボットの背景を詳細に描いて、リメイク版としてビッグコミックオリジナルに連載しています。また、鉄人28号もその後、2度ほどTVアニメとして、リメイク版を制作・放送しました。どれも子供の時の原作の強烈な印象をベースとしているので、それはそれとして楽しめます。