神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

兜町ありがとう

macky-jun2008-04-09

 サティを聴きながら、今日も酒はスモーキーなラフロイグだ。今の兜町のオフィスにいるのもあと2日。来週からは新しいオフィスである。引っ越しの準備で日中は慌ただしい。5年いた土地を去るのはとてもなごり惜しい。この土地でもいろいろなことがあった。株にかかわるビジネスを東京証券取引所のすぐ脇で行ってこれたのは光栄だった。おまけに今のオフィスは銀行発祥の地というとても由緒正しい場所にある。1873年渋沢栄一が日本初の銀行である第一国立銀行をこの地に開設した。よく歴史教科書に出てくる錦絵の建物である。和洋折衷の一風変わった建物であるが、天守閣(展望台)に当たる部分が6階に当たるのである。今、小生が座っている席も6階の中心部分。まさに天守閣の在った場所か。思わず神妙な気分になる。
 茅場町はこのエリアにあって珍しく再開発から取り残された、ちょっとしょぼい、くすんだ感じがする街である。オフィスを出ると、周りの飲食店や喫茶店は昭和の香りがする風情である。街を歩いている人々も証券関係のシニアなおじさん達が多い。東京の東の外れの下町のイメージがするが、かつては商業、金融の中心地である。東証穀物取引所も日銀も近い。証券会社が軒を連ねている。銀行は丸の内・有楽町に移ったとはいえ、相変わらず証券関係の機能はここ兜町周辺に集中している。
 日本橋も近く、尤も住所は日本橋兜町なので立派に日本橋であるのだが、三越高島屋丸善も歩いてすぐ行ける、大人にとっては抜群のロケーションにある。また、大人好みな、洋食屋たいめい軒を始め、800円前後で食べれる、美味しい、良心的な定食やさんがいっぱいあるのが嬉しかった。また、茅場町日本橋の両駅が近く、東西線日比谷線浅草線・銀座線の4線が使え、何所に行くにも便利だった。
 元金融庁長官の山本氏が茅場町日本橋復権で、容積率の緩和等、街の再生計画をぶち上げた。東京では南のエリアでの再開発が盛んであるが、取り残された感のあるこのエリアの再開発が今後進んでいくことと思われる。丸の内、八重洲の高層化が進み、やがてこの地に来ることは間違いない。かつての金融の中心地の復権もあり得るかもしれない。できれば、またこの地に戻ってきたい、という気持ちをこめて、この地を去りたい。  さらば兜町。・・・ありがとう兜町