神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

Beatles1969

macky-jun2008-03-22

  久しぶりに何もない休日で、You TubeBeatlesApple Roof Top Sessionの映像を観た。1969年の映画「Let it be」の中に入っているシーンだ。Beatlesの映像の中では最も好きなシーンの一つだ。現在、この映画はDVD化の噂もあるが、入手困難な映像ソフトだ。
 同年1月30日にこの抜き打ちライブがアップル本社の屋上で行われた。この映画はBeatlesのリハーサルやジャムの模様をドキュメンタリーで描き、最後にライブコンサートでフィナーレを迎えるという構想でスタートしたが、結局コンサートは実現せず、このような異例な屋外ライブとなった。曲目もわずか6曲(1.Get Back2.Don't let me down3.I've got a feeling4.One after 9095.Dig a Pony6.Get Back)である。摂氏2度の寒さの中で行われたが、大変熱いLiveがBeatlesとしては実に久々に行われた。場所もLondonの中心街サヴィル・ローであり、突然の屋外ライブに道行く人は驚いただろう。歴史的な瞬間に出会えた人はHappyである。当然、無許可であったので警察の介入が入ったが、4人は映画のエンディングとしては逮捕でもされれば最高のエンディングと考えていたようだが、単なる口頭注意に終わったようだ。
 この後、「Anthology」の7巻8巻をおさらいして、また書きだしている。Beatlesにとってこの「Let it be」のアルバム・映画とも一般的な評価は芳しくない。しかし、自分にとってはこのアルバムは中学2年の時に初めて買ってもらったLPレコードであり、格別思いは深く、好きなアルバムの筆頭クラスである。もちろん、LPもCDも2003年に発売された「Let it be・・Naked」も、はたまた海賊版も持っているが、今までに何度聴いたか知れないほど聴いている。音楽としては全体的なまとまりがないとか、覇気が感じられないとか、映画としては暗いだけで面白くないとか批判されるケースが一般的なのだが、僕はまったくそうは思っていない。曲は初期の頃に戻ったRock調のOne after 909やI've got a feelingやGet Backと共に、Let it beやThe Long and Winding RoadやAcross the Universeというメロディーも詩も素晴らしいPaul McCartneyお得意の名曲群もあるし、Two of UsやDig a Ponyのような牧歌的な曲もあるし、George HarissonのFor You BlueやI Me Mineのようなユニークな曲もある。確かに、次の最後のレコーディングとなった名アルバム「Abbey Road」と比較されるので劣っているといわれることが多い。
 映画「Let it be」については世界に影響を与えた偉大なロックグループが崩壊していく様をドキュメンタリー調で追っかけた作品として、長年理解していた。演出がかっていて臭すぎる前期の映画「A Hard Days Night」や「Help」で見せた仲の良い4人が、成長していく過程で、家族を持ち、音楽の志向も変化していくなかでそれぞれが別々の活動を始めるべく、別れを選んでいくのは当然の姿だろうと思えた。だから、映画の中でメンバーが諍いを起こしたり、対立するのも悲しいけど、自然な崩壊の美学であろうと捉えていた。
 しかし、メンバー4人にとってはこの作品は誰として気に入った内容とはなっていないようだ。偉そうに仕切りまくるPaul、そのPaulに罵倒され怒るGeorge、常にYokoと一緒で白けきって眺めるJohn、ウンザリ顔のRingo。監督のマイケル・リンゼイ・ホッグがまさにそのように描きたかったということらしい。「Anthology」ではメンバーは「僕らは当時もそんなに仲が悪かったわけじゃない」というようなことを言っている。現にその半年後にはアルバム「Abbey Road」のレコーディングを始め、歴史的な名演奏を残している。
  当時はマスコミがBeatles解散の理由を詮索することが好きで、Appleの失敗、Yokoの出現、Alein Klein雇用での対立・・・とかを理由に挙げていた。だけど、単に4人がやりたい方向性が変わってきただけのことでしょう。その後、4人はそれぞれの活動で我々を楽しませてくれたし、Beatlesとしての活動期間はそんなに長くなかったかもしれないけど、多くの名曲と共に永遠に我々の心の中に存在していくことだろう。