神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

(1)−神楽坂の変貌−

macky-jun2008-01-19

 「神楽坂のキャピタリスト」のブログタイトルを掲げる者として、いつか書きたいテーマとして温めてきた。が、いざ書き始めようとなると、あれもこれもとたくさん有り過ぎて、なかなか整理がつかない。ので、この際いくつかに分け、小出しにして書いていこうと思う。
 神楽坂は坂と路地が趣きをなしている、一言では言い表わせない、奥深い魅力を持った街である。飯田橋の外堀端から神楽坂通りが西に向けて伸び、地下鉄神楽坂駅を通り、早稲田にぬけていく。神楽坂通りを上がり、左右に路地が迷宮のように張り巡らされている。初めて来た人は路地に入ると、自分がいま何処を歩いているか、わからなくなる、そういった面白さもある。
 大正時代は新宿を上回る繁華街で、寄席や映画館や百貨店が何軒もあったようだ。また、花街としても有名で、路地や裏通りに入ると料亭が軒を並べており、往時には芸者さんの数も多かったらしい。今ではだいぶ数も減ってしまったが、路地に入ると三味線の稽古する音が聞こえ、情緒を与えてくれる。和食の店ばかりかフレンチやイタリアンを始めとした国際的な料理店も多く、華やかで楽しい賑わいがある。
 神楽坂に住んで21年になる。始めは矢来町に13年住んでいたが、8年前に街に近い今の家に引っ越してきた。結婚してからは始めの3年を除けば、ずうっと神楽坂だったし、子供たちは生まれてこのかた神楽坂しか知らない。都心のど真ん中で、神楽坂通りや大久保通りで賑やかというか、うるさいイメージがあろうが、一歩入ると住宅街はとても静かで、夜中は物音もしない。
 最近、神楽坂がブランド力を持った街として、ブレイクしている。今晩9時には、12chの「出没アド街ック天国」で、<路地裏に美食の名店 通の神楽坂>として特集される。男性雑誌「Monthly m」の今月号でも、<神楽坂の路地グルメ案内>を特集している。近頃ではあらゆる雑誌が特集を組んでおり、載らないときのほうが少ないくらいだ。住人としては嬉しいが、ここまでの注目には驚いている。
 21年前にこの街に来た頃は、土日は神楽坂商店街も休みの所も多く、人通りも閑散としていた。2000年9月に南北線が全通、同年12月に大江戸線が開通し、人の流れが大きく変わった。大江戸線ができたことで、中高年の人が麻布十番牛込神楽坂に来るようになったと聞く。この頃から、ガイドブックを持って、歩いている人たちを見かけるようになった。神楽坂が外部から人を呼び込める、プチ観光スポットに進化した。また、最近ではTVドラマの影響が大きい思う。二宮和也主演の「拝啓、父上様」の舞台や井上真央主演の「ファースト・キス」のロケ地にも使われ、若者も集まる街にもなった。家の近くを、若いカップルがデートしている姿を、見かけるようにもなった。
 ここ20年間の神楽坂の変貌は、目覚ましいものがある。地元の商店街の人たちを中心とした、町おこし的な行事や催しも熱心であり、こうした一つ一つの地道な積み重ねが、神楽坂の元々持っていたポテンシャルに加え、街としての魅力を、増しているように思うのである。