神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

NHKドラマ「ハゲタカ」

macky-jun2007-12-24

  今日はクリスマスイブ。休日のイブはゆったりできていいが、何か特別なことをするわけでもない。子供たちはそれぞれバイトでいないし、イブの晩はそれぞれ予定があるようだ。
 2日続けて、NHKドラマ「ハゲタカ」の再々放送を観た。2話連続だったので3〜6話を一挙に観た。HDDにも撮ってあったので3回ばかりでなく数回は観たことになる。それだけ完成度が高く、何度観ても飽きがこなかった。アジア、イタリア、ロシアでも最優秀賞を受賞したらしい。
 何故、魅かれたかと言えば、自分の周りの世界(仕事、人とか)に近いせいかもしれない。主人公の鷲津政彦(大森南朋)、芝野健夫(柴田恭平)は元々銀行員。鷲津は外資系再生ファンドの日本法人代表、芝野も三葉(みずほ?)銀行を辞め、大空電機再生に取り組む。
詳しくはNHKのホームページ http://www.nhk.or.jp/hagetaka/ を見られたい。
ドラマなので大袈裟にかつドラマティックに展開するが、我々の周辺でもよく発生する話ではあるし、TOBMBO、EBO、企業価値の向上、Proxy Fight、だとかよくビジネスの上で使う言葉もよく登場する。
 そう言えば、ドラマの最後の配役紹介と同じく制作者紹介のところで、監修、経済金融考証で同じ銀行にいた1年後輩の名前が2名、大学クラブの2年後輩の名前がそれぞれ並んでいた。道理で耳慣れた言葉が並ぶし、テイストが馴染みやすいと感じたわけだ。こうした方面でも活躍しているのかと思うと、こちらも嬉しいし、勇気を貰える思いだ。
 鷲津を演じた大森南朋があまり売れた顔でなかったのも、金融マンを演じる上でよかった。柴田恭平の芝野も、律儀で静かだけど熱いキャラも好感が持てた。個性の強い栗山千明が前髪を上げて、東洋TV記者三島由香を演じたのもよかった。ヒロインなのでラブロマンスが絡むのかと思ったが、全く縁がなかったのは残念だった。珍しく徹底的に硬派な番組だった。また、助演陣もベテランの大俳優を揃えており、さすがNHKという作品だった。 
 音楽も実に良かった。作曲の佐藤直紀氏、去年「Always三丁目の夕日」で日本アカデミー最優秀音楽賞を取ったり、過去にもドラマの作曲をしている。が、何よりいいと思ったのはかの「嵐が丘」の作者エミリー・ブロンテの作詞としてこのドラマのエンディング曲の歌をつけたというお洒落心にも喝采したい。

 高杉良金融腐蝕列島」とかバブル崩壊以降、従来は地味な職業と見られていた金融マンが主人公になる小説・ドラマ・映画がめっきり増えてきた。金融の世界というのは実体経済の黒子なので、自分たちは主人公とか華やかな舞台には登場しないけど、裏方として舞台裏を演出していることが多い。だから、人に言えないことも多いのだ。黙々と熱い気持ちを持って、日々闘っている我々の気持ちを代弁し、ドラマとして役者が深い悩みも含め、カッコよく演じてくれるのは何とも気持ちがいい。