神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

友遠方より来たる

macky-jun2014-04-28

「朋有り、遠方より来たる。亦た楽しからずや。」論語の学而篇の一節だそうである。 意味(解釈)は諸説あるが、一般的なのは「友人が(珍しくも)遠方から訪ねてきてくれるのは、こんなうれしいことはない。」遠い場所から訪ねて来た親友と久しぶりに近況を報告し合ったり、意見を交換したりするのは、人生の大きな楽しみであると同時に、人生そのものを豊かなものにする。
 ドイツから旧友が夫妻で訪ねてきた。28歳でドイツに研修に出かけた時に出会った友人である。AlbertはMunchenのBayerishe Hypo Bankでの研修プログラムでOst支店で研修した時の先方担当者であった。その1年後に彼がECプログラムとして日本で研修を受けることになり、今度は私のいた銀行でも研修を受けることになった。彼は約2年間日本に滞在し、日本の女性と結婚した。その後、彼はHypo Bankの証券現法を立ち上げ、日本の代表者となる予定であったが、役員が替わりその計画が中止となった。憤慨した彼は銀行を辞め、自身で金融取引会社を興して代表となった。自分の会社を立ち上げ、忙しくなったAlbertとは9年前に会ったきりだった。また奥様とは結婚前に会ったきりだから、実に25年ぶりだった。
 毎年、クリスマスカードとして詳しく近況を書いたメールをくれる。東北大震災の際には原発に過敏なドイツ人として「早く東京から脱出するべきだ」と強くメールや電話で説得されたこともあった。そんなこんなで人生の半分前に出会った外国の友達と永い交友が続いている。
 日本のおもてなしをしようと小石川の魚屋「翁家」に刺身を注文し、旬の筍料理を用意した。日本酒のスパークリングワインで乾杯した。しかし彼はやっぱりBayern育ちなのでビールが好きなようだった。October FestやWineの話や治安や移民の話,お互いの子供たちの話・・・などなど話は尽きなかった。我が妻にとってもドイツ滞在はよっぽど楽しい想い出であったのか、この日の彼らの訪問を待ち望んでいた。人生はこうした楽しみのために時を重ねているのかなと思えた。わが息子の年齢であった私たち自身の年輪である。はたしていい年輪を刻んでくることができたであろうか。
 庭のシンボルツリーであるはなみずきが白い花を満開に咲かせて、彼らの訪問を優しく迎えてくれた。