神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

はたしてSTAP細胞は存在したのか

macky-jun2014-04-09

 STAP細胞論文に関する疑惑が世間を賑わしている。4/1に理化学研究所理研)が調査報告をし、捏造・改竄(ざん)があったとし、小保方晴子ユニットリーダーただ一人に研究不正があったと認定した。それに対し、4/8小保方氏から不服申し立てがあり、4/9本日記者会見があった。
 そもそも今年1月に世紀の大発見としてマスコミに大々的に報じられた。小保方氏が若い可愛い女性であったこともあり、リケジョの星とか割烹着の姿とかが話題となった。しかしその後、ネット上でネイチャー論文での画像疑惑や早稲田大学院での博士論文からの画像利用や他の論文からのコピペ疑惑が噴出した。当初「STAP細胞の正当性」を強気に主張していた理研も、調査に乗り出し、不正認定を行ない、今回の泥仕合となった。私自身もこの間の成り行きを注意深く、興味を持って追っかけてきた。いったんはこぞって持ち上げ、いざ雲行きが変わると一斉にバッシングを行ない、関係ないと思われる個人の私生活の報道も含め、落とすところまで落とす、マスコミの節度のなさは毎度のことながら呆れることばかりだ。
 また理研側の対応にもがっかりした。「若い未熟な研究者の仕業」に結論付けたやり方はまるでトカゲの尻尾切りだ。私は決して小保方氏の肩を持つつもりはないが、そもそも「若い未熟な研究者」をユニットリーダーにさせた理研任命責任が問われる。また共同研究者はいったい研究や論文の矛盾が見破れなかったのか。世紀の大発見にただ名前を連ねたかっただけなのだろうか。上司の笹井副センター長や元リーダーの若山山梨大教授などに責任は無かったのだろうか。iPS細胞でノーベル賞を先に越された京大山中教授のライバルである笹井氏を組織として守る為のトカゲの尻尾切りなのか。笹井氏は一切会見の場にでてこなくなったが、自分を擬えた「ボディガード」ケビン・コスナーはいったいどこに消えてしまったのだろうか。
 理研側にも独立行政法人から特定国立研究開発法人への指定替えという組織課題があった。これが今回のSTAP細胞での勇み足になっていなかっただろうか。理研の年間予算は約900億円だが、その93%は国からのもの。特定国立研究開発法人になると予算も更に増額され、海外からの優秀な研究者獲得にもつながる。何としてもSTAP細胞で指定に弾みをつけたかったのではなかったか。
 小保方氏の画像の切り貼りや他の論文の盗用やコピペは単純なミスなのか、故意なのか悪意のないミスなのか、議論は分かれよう。しかし一流の研究機関に所属する研究者が悪いことや間違ったことと知らずに行なったというのはとてもお粗末としか言いようがない。確かにネット文化で育った若者たちは課題論文や卒論をコピペで書くことが常習化している。小保方氏も学生時代からそうした文化に慣れ切って育ってしまったのではなかろうか。そうしたことで彼女は得することはないし、どこかでばれるのは明らかなので、悪気は本当に無かったのかもしれない。単に論文作成や研究作法を正しく知らなかっただけなのかもしれない。ならば指導者たちの責任は重いし、理研の組織的な監督・指導責任は問われるべきなのだろう。今回の騒動は個人の問題として捉えられているが、我々がよく知らぬ巨大な研究機関伏魔殿「理研」という組織こそが問題の根幹ではないだろうか。
 さてこの日の小保方氏の会見ですが、一見謝罪会見の様相でしたが、自分の主張はしっかりする、相手の批判は一切しない、隙のない完璧な内容でした。涙目で「STAP細胞はあります」「作成には200回以上成功した」「論文は撤回せず」と強気でした。時に涙という女性の武器を使い、とてもしたたかな、小保方晴子はやっぱり大したタマでした。