神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

東大地震予測のお粗末さ

macky-jun2012-02-11

  先般、東大の平田教授らの研究チームが発表した「首都圏でM7クラスの地震が4年以内に70%発生する」という予測結果は、かなりのショックを持って迎えられた。政府はこれまで首都圏のM7クラスの地震について「30年以内に70%」と発表していたからだった。また、京都大学の研究では「5年以内に28%」という予測で、結果はかなり違っている。
 その後、東大は2/6に、当初予測に12/31までのデータを加え、「50%以下である」となんと修正したのだ。2/9に政府地震調査委員会は、短期的な予測は出さないと決定し、東大の予測結果を実質否定した形になった。この間にどんな政治的な圧力が加わったのか、地価や防災への影響を考慮したのか、私は知らない。
 要は前提条件の置き方によって、結果が大きく変わり、精度に問題があるからだ。東大は、当初大震災のあった2011/3/11から9/10までの半年間の首都圏でのM3以上の地震343回を基に試算したのだ。その結果が「4年以内に70%」。そして、今回の修正予測は9/10〜12/31までのM3以上の地震88回を加え、計算し直した。その結果が「4年以内には50%以下でした」という何ともお粗末な調査結果だった。まったく人騒がせもいい加減にしろと言いたい。どれだけ当初の予測に怯えた人がいたことか。
 データをベースにした試算は前提をどこに置くかで、結果は大きく変わってくるものである。一般的に試算の前提条件までは細かく説明されないから、どうしても結果のみが独り歩きしてしまうことになる。我々ビジネスマンや研究者はそこを肝に銘じ、精度の高い研究や予測調査を行なっていかねばならないと自戒したのだった。