神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

魔のカーブ

macky-jun2011-09-26

  斉藤茂太さんによれば、人生には「魔のカーブ」と呼びたくなるような時期が三度ほどある、という。この時期にうつ病が頻発するらしい。まずは22,3歳で、就職し社会の現実にぶつかり悩む時期である。さらに50後半から60代にかけ、第一線から引退する時期である。そして、もう一つの「魔のカーブ」は30後半から40代にかけて訪れる。
 「四十にして惑わず」という孔子論語の言葉がある。これはある意味、反語となっており、それだけこの年代は迷い多き年代であるから、それに惑わされずに生きなさい、というのが真意でないかという。40代は微妙な時期である。若くもなく、老年でもない。自分の本当にやりたかったことは何だろうか、と考えるタイミングであり、自分の人生に確信が持てなくなり、心が不安定になる。
 自分の場合に照らして考えれば、その二つの「魔のカーブ」が同時にやってきているようなのだ。銀行員の世界というのは表向きは定年60歳となっているが、実は50歳を超えると第二の職場への出向転籍が始まる。私の同期もあらかた外に出てしまった。いつ自分の番が回ってくるかわからない、不安定な状況にいる。
 また本来なら40代で悩むはずなのだろうが、53歳にもなって自分がやりたかったことは何だろうかと、新たな道への模索をしている。しかし、なかなかうまくは進まず、自分のしたいことと求められることとのGAPを感じている。
 仕事にかつてのような熱い情熱は失われたが、晩節は汚したくない。30年間も一つの企業で働いてきたので、どうせ去るならきれいに去りたい。組織に期待するのは空しいが、運命に身を任せてみたいと思っている。