神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

ビンラディン殺害に思う

macky-jun2011-05-04

 ウサマ・ビンラディンが米海軍特殊部隊によって殺害されたというニュースを5/2の中央高速道路上SAのテレビで知って驚いた。懐かしい名前、9.11から既に10年、すっかり忘れていた名前だ。しかし、いま何でビンラディンなんだ?と思った。
 当初、銃撃戦の末殺害したとの報道だったが、その後訂正され、武器は持っていなかったが抵抗した為、と説明されている。また、遺体は既にアラビア海上に水葬された。写真が公表されない。よくわからない事だらけであるが、オバマ大統領が得意満面の表情で、「天下の極悪人を処刑した」とのニュアンスでテレビに登場した。さすがカウボーイの国アメリカである。米国民はそれを歓迎ムード一色で盛り上がっているらしい。しかし、オバマにとっては、人気低下に苦しむ、選挙を意識した人気取り政策に過ぎないのだろう。
 米国はこの10年間、ビンラディンをずっと追いかけてきた。9・11やその後の世界各地でのテロの首謀者であるとされるこの男を追いかけてきた筈だ。この間、ビンラディンが癌に冒されているとか、死亡説も流れた。しかし、執拗に追いかけ続け、同盟国である日本にも通告することなく、秘密裏に作戦を敢行し、ビンラディンを始末した。
 ビンラディンの外、妻や息子まで数人が巻き込まれ、殺されたようだ。テロは勿論肯定されることではない。しかし、今回の米国の一連の行為には素直に首肯できないものがある。恨みは恨みを呼ぶ。暴力は連鎖し、終わることはない。精神的指導者を失ったアルカイーダには、また新しいリーダーが生まれ、報復のテロを仕掛けてくるかもしれない。世界がまた見えない不安に脅かされることになる。
 アルカイーダを擁護するつもりなど、無論ない。しかし、9・11のきっかけはイスラム勢力の米国に対する反発の顕われではなかったか。世界のリーダー面(づら)した、おせっかいな、帝国主義の野心が見え見えの米国が、イスラム諸国間の紛争にいちいち介入してくる。この地域の石油利権等経済的事情も絡んでいるであろう。
 米国の理屈からすればアルカイーダはテロリスト集団だが、イスラムの理屈からすれば汎米主義(パックスアメリカーナ)に対する聖戦(正義の戦い)であろう。出過ぎた米国に対するイスラムの戦いの一端が9・11であり、それに対する米国の報復戦が今回のビンラディン殺害であろう。戦争や暗殺が肯定されるわけはない。後世の歴史家が評価をしてくれるであろう。
 写真は5/1ホワイトハウスの危機管理室で、急襲作戦現場からの同時中継(海兵隊員のヘルメットに取り付けたビデオカメラから)を見守る米政府首脳陣。見慣れた顔がいっぱい居ます。凄い写真ですね。