縮み思考は止め、買い物に出かけよう

　 ラジオが好きである。土曜日の朝は目覚ましをかけていないにも拘らず、昨晩も寝たのが遅かったにも拘らず、７時にはちゃんと目が覚める。文化放送の「幸田真音のIt's mine!」を聴くのが習慣になっており、休みの日でも早起きしてしまう。今日は京大原子炉研究所の山名教授がゲストでタイムリーな話が聞けた。幸田真音も小説の情報収集で５年間原発の勉強をしたとのことで、知識と実査経験が豊富だったので、二人の会話はレベルが高かった。
　幾つか気になったことを書いておこう。CNN放送は福島原発の報道では風向き情報を必ず放送しているとのこと。日本の報道で放射線と放射性物質と放射能で、言葉の混同があること。放射線はα線、β線、γ線、中性子とあり、直進するが、距離の２乗で影響は少なくなるので、離れていれば問題がない。放射性物質は浮遊し、体の中に入ると問題があるので、外に出ることがこわくなる。放射能とは放射線もしくは放射性物質を出す能力のこと。
　１・２号機は大丈夫だろう。４号機もおそらく大丈夫だが、３号機が不明である。チェルノブイリと比較されるが、基本的に違っている。チェルノブイリは蓋のない釜を火で炊いてしまった状態。放射性物質を拡散してしまった。そして情報を隠したのが被害を大きくした。福島原発は圧力容器と格納容器の２つの容器で守られているが、一部出てしまった可能性があること。来週また続きがある。
　続く番組が「高木美保のclose to you」で、幸田真音の知的な会話の後に高木美保のノー天気なトークは落差が激しいといつも思っていたのだが、今日ばかりは違っていた。この日の高木美保は実にいいことを言っていた。「外食店では客がガタ減りで、せっかく仕入れた魚を捨てているという。こういう時こそ、外食、買い物、旅行をするべきである。みんなが引込み思案になっており、このままだと経済が沈んでしまう。災害に負けてシュンとしてたらダメで、余裕のある人は今こそ使うべきである。財布のひもを緩めるべきである。」と云うような趣旨のことを言っていた。
　「そうだ、その通りだ」と思った。震災地で苦労している人々のことを思うと、贅沢などしていていいのかとつい思ってしまう。確かに３・１１以降、私自身も極力、無駄な出費を控えていたようだ。みんながこんな行動をしていたら・・・と思い、ギョッとした。この国の景気がとても心配になってきた。
　朝食を食べながら、レナウンのバーゲンがあることを思い出した。もう10年も着たオーバーコートがだいぶくたびれてきたので、買い換えようとずっと思ってきた。しかし、財布の中が寂しかったので、ずっと延ばし延ばしにしてきたのだった。彼女の言葉に背中を押され、渋谷の会場に出かけた。そして、遂にAquascutumのカシミアオーバーコートを買ってしまった。狙っていたNavyは無かったので、チャコールグレーにした。余裕はないのだが、ついつい大きな気持ちになり、私にとってはとてもとても高額な買い物を、珍しくもしてしまったのだった(泣）。
　これも震災での節約疲れの副作用かもしれない。だけど、よくよく考えてみたらレナウンは昨年、中国企業（山東如意科技集団有限公司）に買収されてしまったのだった。また、Aquascutumは英国ブランドで、レナウンの子会社だったがR/Fをごっそり持ってかれるのだろう。これって果たして日本の景気好転に貢献できたのかな？