娘の誕生日
今日は娘の誕生日だった。22歳にもなったのだ。ずいぶんと寒い季節に生まれたものだ。妻の実家の近く、長野の篠ノ井で生まれたので、さぞや寒かっただろう。当時、俺は風邪を引いており、火曜日だったので、すぐ会いに行けず、週末を待って会いに行ったので、生まれて4日目の君に対面したのだった。
君は知らないだろうが、俺はそれから2週間に1回は長野と東京を往復した。君はただすやすや寝ていただけだが、お兄ちゃんが母親を取られて淋しそうな顔をしていたのが印象的だ。
赤ちゃんだった君もすっかり大人になった。もうじき我が家からも出て行く。22年間という歳月は長いようで短かかった。この先、もう一緒に生活することはないかもしれない。ただ、元気に生きていくことを願うのみである。ここまで来ると、親がやってやれることはあまりない。
君がいなくなったこの家はさぞ静かになるだろう。たまには帰ってきて、得意のツッコミ役として、また茶の間の雰囲気を掻きまわしてほしい。
さて、誕生日の夜なのに肝心の娘は、妻にバースデイケーキのリクエストだけしておいて、さっさといなくなってしまいました。22歳の娘が家族とケーキを囲んでいるのもおかしいかな。