神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

タイガーマスク運動

macky-jun2011-01-13

  新年早々のニュースに胸が暖かくなった。12/25のクリスマスに前橋市児童相談所に「伊達直人」の送り主名でランドセルが10個届けられたのをきっかけに、瞬く間に全国に広がっているようだ。既に300件以上の寄付があるという。同じ「伊達直人」の名前でも別人のようだ。なかには「遅れてきたサンタクロース」だったり、「仮面ライダー」だったり、「鉄人28号」だったり、「野原しんのすけ」だったり、「伊達直子」だったりするようだ。いずれにしろ善意の輪が全国に広がっているのは間違いない。
 「伊達直人」は漫画・アニメ「タイガーマスク」の主人公である。梶原一騎原作・辻なおき作画のプロレス漫画で、1968〜71年に少年マガジンに連載し、テレビアニメにもなり大ヒットした。ちょうど私が小学校高学年の時にあたり、当時は大変なプロレスブームでもあったことから、夢中になって観たものだった。
 主人公「伊達直人」は孤児院で育ち、悪役レスラー養成組織「虎の穴」にさらわれ、秘密訓練をさせられる。悪役の覆面レスラー「タイガーマスク」として活動する予定であったが、自分が育った孤児院が経営難で存続の危機にあることを知り、正体を隠し、ファイトマネーで支援する。キザな金持ち「伊達直人」としてプレゼントを抱え、孤児院を度々訪れる。実在のジャイアント馬場アントニオ猪木や外人レスラーも登場し、ストーリーも面白かった。
 我々周り年代には、善意の送り主が「伊達直人」という、ちょっとユーモアを利かせているところも胸が熱くなった理由だ。こうした善意がニュースになる位なので、寄付という行為は日本ではあまり一般的ではないが、米国ではかなり日常的に溶け込んでいるようだ。年間寄付額は日本では5,455億円なのに対し、米国では18兆8,000億円と30倍以上もある。
 ハリウッドセレブの寄付額は半端でなく、多いところでは故ポール・ニューマンの通算175億円というのがある。また、ウォーレン・バフェットは資産の99%を寄付することにしており、ビル・ゲイツジョージ・ルーカスら57人が資産の半分以上を寄付することを決めており、その寄付額は13兆円以上になるという。
 米国の巨額の寄付額に比べれば、今回の話はとても小さな話かもしれない。しかし、世の中、暗いニュースが多い中で、久々に暖かい、いいニュースだ。善意の心を持った人たちが、こんなにもいるんだと思えただけでも、この国もまだまだイケてるぞと思えた。自分のできる範囲で善意の心を現わすのが美しい。まだまだ人を信じられると思えたいい話だった。