神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

「いま」を生きる

macky-jun2010-12-14

  <<過去を追うな。未来を願うな。過去は既に捨てられた。未来はまだやって来ない。だから現在の事柄を、現在においてよく観察し、揺らぐことなく動ずることなく、よく見きわめて実践すべし。ただ今日為すべきことを熱心に為せ。誰か明日の死のあることを知らん>>(「マッジマ・二カーヤ」)
 だいぶ以前にこの釈迦の言葉を引用したことがあった。以降、私は会社のPCのスクリーンセイバーに、この省略版を載せ、毎日肝に命じているところである。昨日、ご紹介した衛藤信之さんの「今日は、心をみつめる日。」(サンマーク出版、2010/11初版)の本で、同じことが書かれていた。「いまこの瞬間を濃く、深く味わうことの中からしか幸福は生まれてこない。」
 朝、子供や夫が慌ただしく、学校や会社に向かって家を飛び出していく。夜、夕食を家族みんなで囲む。一家団欒と呼ぶほどなごやかではないが、ありきたりな家族の光景。その光景を少し離れた場所から客観的に眺めてみる。この光景はやがて失われて行くだろう。一人欠け、二人欠け、そうして、いつかずっと先になって、それが取り戻しようもなく貴重な時間であったことに気づくだろう。このなんでもない「いま」が、かけがいのない「あのとき」として懐かしく思い出され、またあの日あの場所に戻りたいと痛切に思う日が来るのだろう。
 私自身にとってもそんな時が近づいているようだ。なにげなく過ぎていく時間のはかなさ、うつろいやすさ、その時間の大切さを実感したい。この本には、小児ガンに侵されながら、気丈に生き、大人になったらおまわりさんになりたかったがなれなかった幼児、しゅんしゅんの話や、心と体のピークが不一致であるアスリートの悲劇の話が登場し、「いま」という瞬間を深く生きることの大切さを教えてくれる。