神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

根津美術館の静寂

macky-jun2010-08-08

 昨日(8/8)は、浅田次郎の「終わらざる夏」刊行記念講演会に行く予定であった。葉書とネットで4票応募したので、有楽町朝日ホール600名無料ご招待は当選する人数も多いし、大丈夫だろうと甘く考えていた。ところが、恐るべしや浅田ファン。よっぽど多数の応募があったのであろう。ウンともスンとも返事が無く、どうやら外れてしまったようだった。読書クラブのMilkyさんを誘って、にわか喜びさせていたので、申し訳なかった。
 急遽、予定を変更し、友から推薦のあった根津美術館を訪ねることにした。昭和16年に、東武グループの創設者初代根津嘉一郎の遺志によって、南青山に開館したこの美術館は、昨秋、大改修の上、完成した。この改修はいま最も注目されている建築家の一人、隈研吾が担当した。2万平米超す広大な敷地には、仏像や道祖神が点在する、緑豊かな日本庭園があり、都心の一等地とは思えない静寂に包まれている。私は美術品はさることながら、建築や庭に関心がある。秘かに注目していたスポットでもあった。
 この日は特別展で「いのりのかたち-八十一尊曼荼羅仏教美術の名品」をやっており、最終日であった。近くの新国立博物館ではオルセー美術館展をやっており、「平日だったのに人の頭しか見えないよ」という友のアドバイスに従い、正解であった。根津美術館は最終日にもかかわらず、人出はそんなに多くなく、落ち着いた観覧者が主なせいか、静寂が守られていた。また、ここの空調は効き過ぎず、とてもいい塩梅なのだ。最新鋭の温湿度コントロールが為されているのだろう。気持ちのいい空気が支配していた空間だった。
 その空間で観た日本・朝鮮・中国・印度の仏教美術品の数々・・・。阿弥陀如来普賢菩薩不動明王立像、毘沙門天像、曼荼羅や仏像・・・。知識が追いつかず、もっと仏教史や各如来や菩薩の関係が分かれば、もっともっと面白いだろうと悔しく思った。庭園もなるほど素晴らしかった。散歩の後、庭園内にある「NEZUCAFE」でパスタを食べた。客層がいいのか、大声でしゃべる者などいない。根津美術館の良さはこの空間・空気・静寂を味わうことだと思った。