神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

ニーナとの再会

macky-jun2010-06-06

  ニーナ・アナニアシヴィリに久しぶりにお会いした。といっても、画面を通しての話であるのだけど。私がプロ野球観戦に行っていた、6/4金曜日のNHK-3CHの芸術劇場で、3月に公演のあったグルジア国立バレエの「ロミオとジュリエット」を放送していた。それをHDDに収め、今日DVDにダビングし、夕食後ようやく鑑賞したのだった。
 ニーナ・アナニアシヴィリにはまっていたのは約15年も前のこと。今年、47歳になった彼女がまだ30歳になりたての頃である。当時のニーナは若さ、エネルギー溢れんばかりで、黒鳥のグランフェッテでオケの演奏スピードを早ませる程、回転系に絶対的な自信を持った体育会系のバレリーナであった。当時、シルビー・ギエムと人気も実力も二分するほどの存在であったが、年齢と伴にそのバレエスタイルも変わっていったようである。
 2004年には母国グルジア共和国の国立バレエ団に請われ、芸術監督に就任する。以降、ニーナの力で人脈を駆使したり、同団の再建に取り組む。一方で、引き続きプリマバレリーナとしても活躍を続けてきた。暫くぶりに観たニーナは立場柄か、だいぶ貫禄がついて、ふっくらとしていた。あのニーナかと、些か驚きもした。だけど、熟年となった彼女も充分魅力的であった。
 但し、この日の演目である「ロミオとジュリエット」は無理があったかもしれない。何故なら、ジュリエットは16歳の乙女であるからである。体型、貫禄からどう見ても”お母さん”か”お妃さま”にしか見えない、今のニーナには辛いものがある。だけど、童顔のアレッサンドラ・フェリは流石にこの役がはまり役であったのか、40代でも乙女の感性をうまく表現していた。
 世の中には、84歳の今も現役のマイヤ・プリセツカヤや、我が国にも61歳にしていまだに一幕物を主役で踊る森下洋子という、怪物のようなバレリーナがいる。しかしながら、一般的には40代がバレエの引退年齢であろうと言われている。ちなみに、パリオペラ座の定年は45歳である。バレエ鑑賞の愉しみは、年齢とともにバレリーナがどのように変化していくかを観るところにもある。若さに頼った技も、年と伴に熟練され、深みが増し、何とも言えない感動を味あわせてくれる。久しぶりに観たニーナ・アナニアシヴィリのバレエはそんな深みのあるものだった。