神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

 娘の就活

macky-jun2010-04-14

  娘から珍しく私の会社に電話があった。就職の内定が出たようで、喜んで報告してきたのだ。会社は日本でのSPAの第一人者で、アパレルというよりは総合企画会社という、F社である。Uという店舗を日本全国に800店以上展開していると言えば、誰でも知っている会社だろうと思う。
 娘は始め、TV局のアナウンサー志望で、昨夏は自分で費用を払ってFテレビのアナトレを受けたりもしていた。TV局の採用試験は結局うまくいかなかったが、就活をしているうちに、F社が段々と好きになっていったようである。のめり込んでいったというのが正しい表現かもしれない。説明会から始まり、集団討論、面接、インターンシップでの店舗研修を経て、最終面接を受けた。
 それは俺のケースと似ているかもしれない。俺も面接を重ねているうちに会社が好きになり、銀行には間違っても行きたくないと言っていたにもかかわらず、銀行に入ることになった。俺のような高値掴みはして貰いたくない。たぶん、俺の入った会社とは違って、世界一を目指すという分かり易いスローガンを挙げて、その目標を実現してしまいそうな勢いと実力があるように思うのだ。
 娘が評価されたポイントは、人事部の方の言葉を借りれば「活躍できる人材」、「現場感覚があり、お客様視点で考えていること、スタバでの時間帯店長を含めたバイト経験、問題解決能力、リーダーシップ、最後まで遣り抜く力・・・」が評価されたらしい。いずれにしろ即戦力としての高い評価を頂けたようだ。
 よく頑張ったと思った。しかも第1志望としていたF社の内定だ。就活は学生生活の総括のみならず、今までの自分の人生を、第三者が評価してくれる場だ。これまで生まれてこのかた、他人から真剣に評価される機会なんて無かったに違いない。それを綿密な情報収集、自分という人間の分析、コミュニケーション能力、プレゼン能力、少しばっかりの知性・・・で、勝ち抜くことが出来た。まして、前4年生が卒業までに内定率80%であったという就職氷河期であった。
 親としては大変な時に就職を迎えたなと思いつつ、就活を通して、成長していく娘を頼もしく思っていた。たぶん、この先の社会人生活はもっとずっと厳しいであろう。特に、目標の高いF社であれば尚更であろう。募集職種は”経営者”と言い放ち、早ければ半年、平均でも2年で、新卒を店長に育てる。しかも30〜40人の店員を配下にし、年商5億円が店舗の平均モデルと言う。娘はとっても張り切っているが、体に気をつけて、大学4年生を思いっきり楽しみつつ、心と技の準備をして欲しい。今宵はまずはシャンパンで乾杯だ!