クリスマスの晩に

クリスマスの晩である。イブの夜は子供たちが其々に予定があり、夫婦二人で静かに普通の食事をした。今日は家族全員が揃うので、自宅でささやかなパーティーをした。といっても何をするわけでもない。クラッカーを鳴らすのでも、プレゼント交換をするのでも、ボードゲームを楽しむのでもない。みんな、風邪気味でガラガラ声を出しながら、シャンパンを空け、ローストチキンの丸焼きとニョッキとサラダとフランスパンのDinnerだ。
　音楽はビング・クロスビーやフランク・シナトラ等のオールドクリスマスソングをBGMに、クリスマスキャロル1970年版ミュージカルを画面に流した。我が家はみなお祭り好きなので、クリスマスは好きで、4週間前からツリーは飾るは、窓ガラスの電飾イルミネーション（ツリー・雪の結晶・雪だるま）は１Fから３Fまで輝いている。クリスマスCDはかれこれ何年も収集してきたので、硬いのから柔らかいのまで20枚はあるだろう。
　去年はイブの晩、会社帰りに、淡路町の近江屋でショートケーキを買ってきた。それ以前はラクーアのケンタッキーでフライドチキンを並んで買ったものだった。娘の友達が我が家でパーティーをやるというので、張り切って並んだこともあった。歳をとったせいか、子供が家庭のクリスマスから外に向かい出したためか、だんだんしらけたクリスマスになったというか、やっと落ち着いたクリスマスになったというべきかもしれない。
　昔、私の実家でもクリスマスと大晦日の晩は遅くまで起きていて構わない、ということになっており、家族みんなでトランプをしたり、ゲームを楽しんだものだった。その伝統で、我が家でもボードゲーム（モノポリー、人生ゲーム、バンカース）やトランプ（大貧民、七並べ、神経衰弱・・・）を楽しんできたが、最近はついぞご無沙汰だ。だんだん、静かなクリスマスになってきたことを悲しむべきか、喜ぶべきか。