銀座慕情

　 銀座はクリスマスの電飾でとても華やかだ。この不況の中に在り、銀座のネオンは健在であった。資生堂の前を通り、派手なクリスマスツリーを目にした。ショーウィンドウを一眼レフカメラで撮影している人を何人か見つけた。外人さんであろうか。今日は銀座という場ながら、なんと坐-和民で、京都に赴任するN君の送別会があった。しかも6時スタートの2時間飲み放題だった。N君は初めて課長という役職に就く。すなわち初めて部下を持ち、自分のチームを率いる立場になるわけだ。ビジネスマンとして初めて部下を持つというのは万感の思いがあるだろう。イジラレキャラのN君らしく、みんな一人一人から手厳しい送別の挨拶を頂き、さぞたじたじの想いだったろう。頑張ってほしいと思う。
　ここまで書いて、酒が効いたのか寝てしまい、翌朝になって続きを書いている。安居酒屋の飲み放題コースで、ビール、焼酎オンザロック、日本酒と飲んだ。おまけに家に帰ってきてからも、弾みがついたのか、缶ビール、ウィスキーと飲んだ。酔っ払うわけだ。久しぶりに朝起きると、胸やけがした。安い酒がまずかったのか、飲み過ぎなのか。たぶん両方なのだろう。
　銀座の街を歩いていて、昔はよくこの通りで飲んだなと懐かしかった。それ程、この街から足が遠のいていた。すぐ近くのオフィスで働いているにも係わらず、銀座は縁遠くなってしまった。若い頃は「銀座は大人の街」、だからここで飲むのはまだ早いかなと思ったものだ。しかし、充分大人になった今は、銀座は高根の花になっており、敷居が高くなっている。新橋ー有楽町のアーケードが壁になっており、どうやらそこを突破できない。銀座を我が街気分で闊歩できる日は来るのだろうか。