神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

所得の二極分化

macky-jun2009-10-30

  先日、日本の相対的貧困率が15.6%で、主要30カ国で4番目に低いという統計が、OECDから発表になった。日本を下回った国は、メキシコ、米国、トルコである。これは所得分布における中央値の半分未満の人々がどの位いるかという比率を示している。日本はこの数値が1980年代の12%台から3ポイント以上、上昇している。
 国税庁の統計でも、貧富の格差が拡大している傾向が見られる。2008年の平均給与所得は前年比1.7%減の429万円であった。減少率は過去最大である。低所得層の増加が目立っている。300万円以下の層は前年比68万人増え、1820万人になり、ここ10年間で348万人、率にして24%も増加である。なかでも100〜200万円以下層はこの間、221万人、48%も増えている。
 一方で、2000万円超の層は同10年間で5万人近く増え、22万人強となり、27%増だ。中間の300〜2000万円層は減少しており、所得は確実に二極分化しているようだ。非正規雇用の増加と成果主義報酬体系の浸透という日本の労働慣行の変化が、このような二極分化の原因と思われる。小泉政権の功罪が、民主党政権になってから言われることが多いが、統計的にも貧富格差は我国において、残念ながら進行しているようである。かつて、9割以上の人が自分は中流だと思っていた、平和というか、能天気な時代は遥か昔に遠ざかったようだ。