神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

職業とは

macky-jun2008-11-22

   投資先を含め、自分と関連する先での役員の転職が多い。ある会社では先月に続き、今月も役員が辞めていった。ベンチャー企業では人の入れ替わりが激しいのはつきものである。先日、銀行時代の後輩でさるベンチャー企業で企画・財務担当役員として活躍していた男が会社を辞めた。転職先はこれから見つけるようだ。疲れたと語っていた。
 決してベンチャー企業の経営者や役員はやりがいはあるのだろうが、楽ではないし、いい商売ではないと思っている。心が休まる時がなかなかないのではないだろうか。だけど、大企業に身を置くのがいいわけでもない。毎月、給与はちゃんと払われるし、最低限の福利厚生はある。人も余裕はあるので、一人当たりの仕事の負荷はベンチャー企業に比べれば軽い。やることさえやっていれば、文句も言われないし、堂々としていられる。だけど、所詮は宮仕えの身の上、組織の上の命令は絶対であるし、矛盾を感じつつも従わざるを得ないこともある。自分一人がいなくても、組織は替りの者がいるし、組織は廻っていく。自分の存在意義というものは稀薄である。そういうものと割り切って、日々を送ればいいのだろうけど、虚しさは残る。
 俺ぐらいの年代での転職はもはや殆ど不可能に近く、考えない方がいいのだろう。一方で、昨年高校の同窓会でK先生が言われた「君らの年代(50歳)でぼちぼち自分が本当にやりたかったことを考える時です。そして願えば実現します。」という言葉がとても気にかかる。27年間近く働いてきて、もう十分やるべきことはやってきた。家族に対しても子供もあと2年もすれば大学を卒業するので、概ね責任は果たしてきた。一方で住宅ローンはたっぷり抱えているので、働くことからは当面逃げられそうにもない。
 今のビジネスを一生懸命にやるのは契約だから当たり前だ。まして、プロ職であるから人よりも成果を挙げるべく、競争すべきでもあろう。しかし、今の不毛ともいえる経済環境下で、成果が上がらないと、もがくのはとてもつらいものがある。また、今後しばらく経済は立ち直らないかもしれない。そうこうしているうちに、どんどん歳をとっていく。現役キャピタリストとしてやっていられるのもそう長くはないかもしれない。そのような状況下で、自分なりのバリューやレーゾンデートルをどこに求めていくのか。秋の深い憂鬱が続いていく。