神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

八ヶ岳本沢温泉の旅(1)

macky-jun2008-11-10

   この週末土日と八ヶ岳本沢温泉に大学WV部時代の仲間と行ってきた。八ヶ岳は4回目であるが、今回もまたとても味わい深い旅であった。長野新幹線にそれぞれ東京駅、上野駅から乗り込み、佐久平駅小海線に乗り換えた。単線の味のある電車で、乗ったのは大学1年の新人訓練合宿以来だった。その時は小淵沢からの北上だったので今回とは逆だった。近くに遊びに行ったことも結構あったが、車とかバスでのアプローチが多かったのだった。南下し、小海駅で下車した。小さな町の蕎麦屋でしゃきっと冷たい手打ちそばを食べ、タクシーで登山口まで向かった。そこから林道の緩い登りを2時間ほど歩いて、本沢温泉に到着。林道はカラマツの葉が落ち、オレンジ色のジュータンを歩くようで、気持ちが良かった。
 温泉宿到着後、直ぐに硫黄岳沢筋にある野天風呂に行く。宿から歩いて5分。ちょうど女性3人があがった処で、自然のままの温泉に我ら5人、ボーっと1時間近くゆ〜っくりと入っていた。温度調節は一切していない、自然のままの程よい湯加減で、ずーっと肩まで浸かり、入っていたのだった。出て、着替えるまでがとても寒かった。これまでも露天風呂は何度も入ったことがあるが、これだけ自然に近い温泉は初めてだったので感激した。
 この本沢温泉は創業126年で、1882年(明治15年)だ。温泉宿というよりも、山小屋に温泉があるというのが正しい表現だろう。部屋も粗末な個室で、火の気も無く、凍てついており、唯一暖房のあった談話室にこもり、6:30PMからの晩飯を待った。室井さんというベテラン登山家が薪ストーブの薪をくべており、彼のいろいろな話に耳を傾けていた。我々のほかは相模原市の我々よりも年輩の女性集団だった。室井さんは八ヶ岳には850回以上も登ったことのある超ベテラン登山家で、この宿も周辺の地理もとても詳しかった。年齢は60歳前の方で、かつてはダウラギリなどのヒマラヤの8000M鋒を単独行で登っていた猛者である。父親がかつてヒマラヤでシェルパを雇って、登山をしようとしたが、最新装備と食糧に目のくらんだシェルパに持ち逃げされたことがあった。そういうこともあり、単独行を主義としている人だ。加藤文太郎のような人である。下界でも1週間ずっとうどん粉にお湯を注ぎ、カレー粉で味付けしただけの食事を続けたり、極限の訓練をしてきたらしい。我々のような軟弱な山行とはまったく違うスタイルである。
 宿の桜鍋(信州名物の馬肉の鍋)はとても美味しかったが、あっという間に食べ終わってしまい、ちょっと寂しかった。しかし、山小屋で鍋が食べられたと思えば上出来であろう。どうしても無いものねだりをしてしまう癖がある。現在あるものに感謝しよう。部屋に戻り、小海で買ってきたそば焼酎を飲む。8時にはなんと消灯になるので、談話室に移り、9:45まで話す。寝床に入るが、とても寒い(当然ながら零下です)のと、煎餅布団で背中が痛いのと、枕が小さくて、いつもなら直ぐ寝てしまうのに、この日は何故だか眠れなかったのだった。明日の山行に不安を抱えつつ、布団の中で浅い睡眠ながら、うつらうつらしていたのだった。(明日につづく)