日本野球どうしたのか

　前日のソフトボールの爽快な金メダルのドラマに対して、野球は準決勝で韓国に逆転負けを喫してしまった。あまりにも対照的な結果で落差が激しい。前半相手のミスに乗じ、早々と2点をあげ、今日こそいいかなという雰囲気で始まったゲーム。だけど、追加点がなかなか取れない。打てない。打ってもボールが飛ばない。日本で使っているボールと違って、重くて硬くて飛ばないのではないか、と思ってしまう。日本プロ野球界最高の布陣で臨んだ筈なのに、湿った打線。何故打てないのか？悶々とした気持ちの中で、このブログを書いているが、ちょうど米国との3位決定戦がテレビで始まった。こうなれば3位は野球においてはあまり魅力がないけど、何とか銅メダルを持ち帰って欲しい。いきなり、2番荒木がホームラン。頑張れ中日・・ん、なんか違うか？それにしてもペナントレースでもあまりホームランを打たない荒木が・・よくやってくれました。
　落ち着かないけど、韓国戦に戻ると、敗因を個々にあげても意味はないのかもしれない。打てない打線、藤川・岩瀬・涌井の継投失敗、GG佐藤に見られた硬さから出た失策・・・。特にわが中日ドラゴンズの守護神、岩瀬がまったく別人のように打ち込まれている。日本シリーズでパーフェクトの山井をリリーフし、完全に抑えた岩瀬。とてもプレッシャーがかかっただろうに。数々の修羅場をくぐり抜けてきた筈の岩瀬。オリンピックだからってあがる筈はない。単に調子が悪いのか。球は走っているように見えるけど・・・。それにしても、打たれたのが巨人の李承＝（ｲ･ｽﾝﾖﾌﾟ)｡今シーズン不振で巨人でも2軍暮らしで、北京オリンピック予選でも悪く1割前半台の低打率。だけど、4番、ここ一番で失投は見逃さない。２ランHRを打たれ、試合は決した。
　日韓戦での韓国の強さとしてよく言われるのは、韓国には兵役があり、日本にはないという議論である。韓国はオリンピックのメダルかアジア選手権の金メダルを獲れば、兵役が免除されるらしい。この日も最後のライトフライを捕った選手がグランドに突っ伏して喜んでいた。確かにそういった要因もあるかもしれない。二つ目にあげられるのは昔の朝鮮併合時代の民族的な怨念であるという。サッカー等ほかのスポーツでも、日本選手の韓国戦にかける気持ちよりも、韓国選手の日本戦にかける気持ちの方が優っている気がする。だけど、それは本当に歴史的な怨念から来るものなのか。戦後63年も経って、今の若い韓国人たちにそんな思いはあるのだろうか。中国は兎も角として、韓国でそんな教育が相も変わらず為されているのだろうか。
　と書いていると、日米戦で進展が。青木が３ランHRを打って4−1に。その裏、またGG佐藤が平凡なレフトフライをポロリとやってしまった。何とも苦しそうな顔・・。心に負った傷のケアを考えると、引っ込めるわけにもいかず、ベンチも苦しかろう。この大会で負った個人の選手へのダメージケアも難しい。何はともあれこの試合に勝って、せめて銅メダルを持ち帰ることでしか、癒されそうにない。GG佐藤よ、自ら見せ場を作って、男をあげるしかなさそうだ。星野監督、GG佐藤を引っ込めないでくれ。
　喜びも束の間、今度は和田が３ランを浴び、4−4の同点に。韓国・キューバに共に大敗した情けない者同士の、意地の戦い。簡単には負けられない。ここで和田から川上へ。それにしても星野監督は川上や岩瀬という中日投手をよく使う。つぶす気かと落合監督が怒っているとも言われている。更に試合は流れ、川上が2本のHRを浴び、4-8と逆転されてしまいました。本当に中日のピッチャーは星野監督に壊されてしまいそうです。結局、成瀬、ダルビッシュを投入しましたが、そのままズルズルと負けてしまいました。日本は北京で４位。メダルなし。
　日本は2年前にWBCを制し、世界一になった。だけど、あの時も予選リーグと2次リーグはボロボロで韓国に二度負けた。たまたま準決勝で三度目の正直で韓国に勝って、波に乗って続くキューバにも勝って、優勝できた。世界の上位チームの実力は僅差である。僅差ならば勝負は時の運と、優勝に対する気持に勝る方が勝つのだろう。ならば日本はこの北京オリンピックでも勝てたかもしれないが、日本が絶対的な実力を持った覇者でない限り、WBCとの連覇はそうそう容易に、他のチームが許してくれよう筈もない。WBCでのたまたまの優勝で、日本野球の実力に対する過信があったのではないかと思っている。
以上、昨日の日韓戦、本日の日米戦の二元放送でした。皆さま本当にガッカリしたでしょうが、お疲れ様でした。