神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

ソフトボール悲願の金メダル

macky-jun2008-08-22

 ついにやってくれました。なんと日本ソフトボール悲願の金メダルです。しかもあの強敵米国を抑えての勝利でした。昨晩はソフトボール決勝となでしこの女子サッカー3位決定戦がほぼ同じ時間からスタートするので、どちらにも思い入れはあり困ったが、テレビでソフトボールを見つつ、手元のワンセグ携帯でなでしこを観戦したのだった。ソフトボールは敵なしの米国、女子サッカーワールドカップチャンピオンのドイツといい、相手は両方とも格上チームだったので、Wパンチでがっかりしないように、両試合とも負けるのが普通だと予め自分に言い聞かせ、応援をした。特にソフトボールチームは守備は鉄壁であるものの、上野の力投に対し打線が応えていないのではという歯がゆい思いがあった。
 先発はやはり上野だった。昨日からの3連投。対する米国はエースのオスターマン。日本は1・2回と5三振を奪われ、オスターマンには全く歯が立たないかと思われた。一方、米国は初回から2本の内野安打で攻め立て、上野は一死満塁のピンチを招き、やはり疲れていて駄目かとの思いが過ぎるが、何とか抑える。また、じりじりとしたゼロ点の攻防が続くのかと思われた。だけどこの日の日本チームは違った。均衡を破ったのは3回、これまで全く打てなかった7番三科のフェンスを直撃する2塁打だった。この回先取点をあげ、続く4回にもキャプテン山田が中越えソロホームランを打ったのだった。今までの試合とは違う、日本が先行する流れで、明らかに何かが違っていた。前日の延長2試合の死闘で、日本チームのメンバーから硬さが無くなっていた。相当疲れていて、ボロボロだろうと予想していたが、読みはうまいことに全く外れた。彼女らは普段からもの凄い量の練習をこなしている猛者たちである。その彼女らからすれば、たとえ前日2試合戦おうと、体力は十分残っていたのである。投手の上野にまでその体力が残っていたというのは正に驚きであったが・・・。ソフトボールからプロゴルファーに転向した女子プロが「ソフト時代の練習に比べれば、ゴルフの練習なんか生ぬるい」と言っていたことを思い出した。前日の2試合のハードワークでむしろ緊張感が無くなり、のびのびとプレーをできるようになった。逆に米国チームに硬さが見られた気がした。
 オスターマンを5回で引きずりおろし、交代したアボットからも7回にダメ押し点を取った。上野はその後も何度かピンチを迎えるが、この日の投球は球速をあえて110km/h以下に落とし、球の回転とコントロールで勝負をした。彼女は最速119km/hのボールを投げるが、前日の消耗を意識し、投球内容を変えた。ただ速いだけでない、このクレバーさが上野由岐子を世界一の投手とさせている由縁である。上野は恵まれた体と才能のうえに、人一倍練習をする。才能ある人が努力をしたら誰も敵わない。
 日本チームはアトランタ以来、4度目の挑戦でようやく金メダルを獲た。アトランタ4位、シドニー銀、アテネ銅で、いつも米国が変わらぬ王者であった。しかも米国は国際大会22連覇であったらしい。シドニーでは今回の逆で、日本チームが予選全勝で、臨んだ雨の決勝戦で悔しい負け方をして銀メダルに甘んじた。ソフトボールは野球と共に、2012年ロンドン大会では競技種目ではなくなる。今回が最後のオリンピックとなるかもしれない。この日、感動的なシーンがもう一つあった。表彰式の後、ホームベース周辺に日米豪の3チームの選手が集まり、ボールを並べて2016の数字を描き、「Back Softball」と合唱し、ソフトボールの競技復活をアピールした。また、米国の選手が再びオリンピックの舞台に帰ってくることを祈り、スパイクシューズをホームベースに残していった。先程まで金メダルを争っていたチーム同士の選手たちが共に祈る、オリンピック競技へのソフトボールの復活、この火を消さないで欲しい。