神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

こんな社会でいいのか?年間自殺者3万人

macky-jun2008-06-19

  本日の新聞夕刊に自殺が10年連続で年間3万人超であり、昨年は全国で3万3093人と前年比2.9%増という記事が載っていた。統計が残る78年以降では03年に次ぐ過去2番目の多さだったことが、警察庁のまとめでわかった。また、自殺者数の推移を見てみると、97年以前は2万人前半台だったのが、98年に約1万人近く急に増え、それからずっと3万人台が継続している。98年とは銀行や証券会社の倒産が相次いだ金融破綻で社会不安が増大した年である。その後、経済はいったん回復したにもかかわらず、自殺者はずっと減っていないのである。(参考資料:警察庁発表統計 http://www.t-pec.co.jp/mental/2002-08-4.htm
 今回の調査では、60歳以上の高齢者や、働き盛りの30歳代がいずれも過去最高であったらしい。原因・動機については、健康問題(特にうつ病)が約半数、次いで経済・生活問題が25%、家庭問題が11%、勤務問題が6%、男女問題が3%となっている。
 2年前に乃木坂、今のミッドタウンのすぐ脇にある教会の献堂式(竣工式)に出席した。そこで外人かなと思うほど、英語も堪能で、髭をたくわえた、渋い50年配の教会の神父さんの話に感動を覚えた。今の日本では年間3万人の自殺者がいるという。割合でみれば0.03%かもしれない。1万人に3人かもしれない。だけど、阪神淡路大震災で亡くなった被害者が5千人、ベトナム戦争の戦死者が11年間で5万人という人数を考えると、3万人というのはもの凄い人数だということが実感できると思う。ちなみに9.11テロで2,973人、イラク戦争で約2万人、東京大空襲は約10万人が死亡した。そして、なんと! 自殺未遂者はその10倍の30万人はいると言われている。
  毎年、歳末になると新宿駅西口地下街で「あしなが募金」というのをやっている。親が自殺等で亡くなってしまった学生自身による募金活動である。健気で、頑張っている学生を見ると、「頑張れよ」と目頭が熱くなる。自殺は本人ばかりでなく、家族、特に子供達に深い傷痕を残す。
 試算すれば、国内で、毎日100人程の人が自殺をしている。1時間で数人が自殺をしているという勘定になってしまう。一般には認識されていないが、もの凄い人数ではないだろうか。自分で命を絶たねばならないほど、この世には、不幸な人が多いのだろうか。これだけ多くの人が自ら死を選んでいる、日本という国はそれほど絶望的な国なのだろうか。本当に幸せな国なのだろうか。はたしてこのままでいいのだろうか。(参考資料:自殺率の国際比較(WHO)http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2770.html
 私自身も身近で親しい仲間を、自殺で亡くしてしまったことが一度ならずある。そのことについては書きたくないし、書くつもりもない。空しく、悔しく、自分が無力に思えて、思い切り悩んだことがある。その後、だいぶ歳をとってみて、漸くこう考えられるようになってきた。ものごとは考え方次第で、幸せにもなれるし、いろいろな生き方が出来ると思う。常に複数のオプションを用意しておいて、行き詰まったら、違うオプションを実行してみるのがいい。個々人がそう考えれば、仮にそうなっても、思いこまず、自殺などしないで、生きていくことも出来よう。しかし、目の前の3万人をどう減らせるのか、となるとまったく自分は無力でどうしたらいいのか、また迷ってしまうのである。