神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

本村洋さんへの期待

macky-jun2008-04-27

 芋焼酎(海童祝の赤)を飲みながら、南沙織ベストコレクションを聴きながら書いている。「17才」、「潮風のメロディー」いずれも中学生の時に流行った歌だ。聴くことはあまりなく、数年ぶりなのだが、これを聴くと甘美な気分になれる。
 今日もNHK大河ドラマ篤姫」は面白かった。あの時代は江戸の末期を迎え、明治維新に繫がっていくのだが、その渦中ではどんなステージにいるかということは無論わからない。篤姫も後に大変な「役割」を歴史の中で果たすのだが、今の時点ではまったくわからない。僕らの時代も、今まさに歴史的な変革点にいるのかもしれない。それは後になってみなければわからないものだ。西郷吉之助(隆盛)も肝付尚五郎(小松帯刀)も先の自分はわからない。
 今週あった象徴的な出来事としては、山口県光市であった母子殺害事件の高裁判決が下ったことだろう。死刑判決は事件の内容からして、至極まっとうな判断であったと思う。被告が18歳1か月ということで、1審、高裁と無期懲役の判決であったが、最高裁で差し戻され、今回の高裁判決になった。死刑廃止論者の変な弁護団21名が付いたことにより、裁判には「魔界転生」やら「ドラえもん」が登場し、やっかいなことになっていたが、今次判決ではそれら新しい雑音に惑わされることなく、すべて無視して、被告に死刑判決が下った。
 被害者の夫である本村洋さんは本当に立派であったと思う。9年もの間、この事件を真っ向から見据え、奥さんと娘さんの為に闘った。彼はマスコミの前でも動じることなく登場し、自分の思いをしっかり主張し続けてきた。その弁舌は淀みなく、理路整然と述べられることに感心した。感情的には万感の思いなり、泣きたい気持ちも多かっただろうに、極めて冷静だった。また、その言葉の一言一言が大変重くて、余分な言葉がない。確かに当初は感情的な発言も多少みられたが、ここ最近の答弁を見ている限りでは、被告の立場にも思いを寄せ、個人の恨みや思いを越えて、法治国家としてのありかたにも言が進み、とても輝かしかった。
 本村洋さんのような人にこそ、法に携わる仕事について欲しいと思う。その仕事に就く相応しさを彼の言動や佇まいから感じる。彼はこの9年間の闘いでおそらく疲れきっているだろう。彼に更にエネルギーを振り絞って欲しいと願うのはとても酷なことかもしれない。それでも、敢えて彼の能力を買って、是非、奥さんや娘さんの無念を、似た境遇にある人を救うべく、今後の人生で生かして欲しいと願う。彼ならば偉大な仕事が出来るように思う。
 来年から新しい裁判員制度が導入され、国民もその審判に加わることとなる。今回の判決はそれを踏まえた、判決の厳罰化、明確化だと言われている。我々個人もいつ裁判員に指名され、裁判に参加することになるかもしれない。社会の一員として、受けるべき義務のある、大事な役目であろうと思う。自分が仮に指名されるようなことになれば、名誉なことと思い、慎んでお受けしたいと思っている。