神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

期末の日にGlenlivetで(ウィスキー考)

macky-jun2008-03-31

 今宵は橋本一子の「Mood Music」を聴きながら、Glenlivetのオンザロックを飲みながら書いている。20年前のアルバムである。あの往年の美女シンガー橋本一子はいまどうしているのだろう。当時は渡辺香津美とかFusion系の人たちと活動することが多かったと記憶している。このアルバムでボサノバの「イパネマの娘」とかシャンソン、クラッシックを抒情的にアレンジしているが、一番好きなのはボロディンの「韃靼人の踊り」をアレンジした「ストレンジャー・イン・パラダイス」だ。
 いつもScotchばかり飲んでいるようだが、そういう訳ではない。どちらかというと日本酒党であり、部屋に持ち込んでPCのキーを叩きながらはウィスキーが都合がいいからに過ぎない。学生時代もしくは社会人に成りたての若い頃は、専らウィスキーばかり飲んでいた。当時、ウィスキーは税金の関係で高かった。オールドが3千円近く、リザーブが3.5千円、ロイヤルが4.5千円位だった。Scotchや輸入ウィスキーを飲むなんて有り得なかった。誰かが海外旅行にでも行って、免税品の恩恵に浴する機会でもなければお目にかかれなかった。だから、とても高貴で憧れだった。いつか、Old Parrを飲めるような大人になろう。Old Parr Superiorを行きつけの鮨屋にボトルキープ出来るような大人になろうと思っていた。
 学生時代はいつも吉祥寺や国立のよく行くパブにサントリーホワイトをボトルキープしたりしていた。贅沢してもオールド、せいぜいリザーブだった。誰かの下宿で飲むときはレッドか髭のニッカだった。翌日、きまって悪酔いしたものだった。ワンゲル部の山小屋合宿では、新人はレッドのキングサイズで飲まされ、みんなゲーゲーやって、死んでいた。
 今や酒税法の改正でウィスキーがもの凄く安くなった。オールドが1,300円、角は1,000円。我々学生時代の半値くらいだろうか。輸入ものも驚くほど安くなっていて、GlenlivetやChivas Regalが2,300円、ジョニ黒だって2千円くらいだろう。憧れだったOld Parrだって4千円で買えるようになってしまった。こうなってしまうと憧れも無くなってしまう。有難みも無くなってしまう。物自体の価値はなんら変わらないのに、価値を感じなくなってしまうのである。何ともはや浅はかなものだろうと悲しくなる。
 安くなった時にはもうウィスキーは飲まなくなる。馬鹿な話だ。本当にウィスキーの味がわかって、ウィスキーを楽しんでいた訳ではないからだ。ウィスキーの味がわかるのはこれからだと思っている。じっくりとちびちび飲んで、味わっていきたい。今日で今年度も終わった。Glenlivetをちびちびやりながら、この一年に思いを馳せ、明日から心機一転また頑張ろう。