神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

イプシロンを知っているだろうか

macky-jun2013-08-19

 イプシロン計画というのをご存知だろうか。今月27日に打ち上げられる国産の新型ロケットである。しかも打ち上げ費用を従来の半分以下の30億円台まで切り詰めた倹約型ロケットとして注目を集めている。デジタル化が進む中でロケットも例外ではなく、イプシロンでは機体の格段に人工知能を搭載している。技術者に代わり人工知能が点検を終えるとパソコンに通信で伝える。人間は画面に表示されるOKを確認して発射ボタンを押すだけだ。
 点検と管制をパソコンでのモバイル管制にした為、かつてのM-Vでは100人がかりで42日かかっていた準備作業が、わずか2人で7日間で済むようになった。打ち上げ費用を省力化できたポイントがここにある。また他のロケットとの部品の共通化やシンプル化により部品数も減らした。プラモデルのように組み立てられるロケットの第一歩となった。
 このプロジェクトのリーダーはJAXA(宇宙航空研究開発機構)の森田泰弘氏だ。実はこの森田氏は私の中学の同級生、しかも野球部を一緒に立ち上げた仲間だ。4番でファーストの我がチームの頼もしい強打者だった。このブログにもモンタやM君の名前でこれまで何回も登場している。モンタがJAXAでロケットを打ち上げていたのはもちろん知っていた。なにしろ年に1回以上は会っていたのだから。しかし、彼から詳しい事は聞いてなく、新聞に報道されて初めて知ったのだ。奥床しい彼は人前で自慢などすることはなく、いつもトボケていたので、こんな偉大な仕事をしているとは露知らずだった。ともかくこのイプシロンは現在とても注目されているようだ。
 イプシロンといえば思い出すのは、手塚治虫鉄腕アトムに出てくる「地上最大のロボット」に登場するロボットの名前だ。悪者ロボットプルートが次々に世界中の有力ロボットに挑戦し、破壊していく。その中でオーストラリアの光子エネルギーロボットがイプシロンだった。心優しき、子供たちにも慕われるロボットだったが、雨の日の対決でやられてしまう。モンタも覚えていて、こんな命名をしたのだろうか。
 昨年、日経新聞で現在最も注目されている科学技術の特集があり、その筆頭に彼が顔写真入りで紹介されていたことがあった。イプシロンは日本の宇宙科学技術の優秀さを示すもので、今後、海外にも輸出できる有力な技術であり、我が国にとっても有望な産業となるかもしれない。大学以来、研究一筋でコツコツと積み上げてきたモンタのイプシロンがもうじき日の目を見る。とても楽しみである。