神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

グロービッシュとは何か

macky-jun2010-09-15

 一昨日に出た週刊東洋経済に面白い特集があった。タイトルが「非ネイティブの英語術 「留学なしの」英語上達法 」である。2000年以降、世界で英語人口が急増しており、特に2005年以降は加速度がついているようだ。現在、世界で20億人が英語を学び、実に世界人口の約3分の1である。また、英語を話す人の7割は非ネイティブスピーカーである。実は英語圏人口は以外に少なく、世界の4.9%に過ぎない。ちなみに日本語人口は1.8%、ドイツ語1.3%、スペイン語4.9%である。 
 欧州では北欧や西欧ばかりでなく東欧で英語人口が増えており、アジアでは韓国、中国など流れは同じだ。中国では国を挙げて取り組んでおり、毎年2000万人を超す英語人口が新たに生まれている。非ネイティブ同士であれば、ネイティブのような発音は必要ないし、語彙も限定的である。
 こうした潮流の中で脚光を浴びているのが、「グロービッシュ(Globish)」である。フランス人のジャン=ポール・ネリエール氏がIBM勤務時代の1989年に構想した。実はこのアイデアは日本で生まれたのだった。当時、彼は米IBMの国際マーケティング担当VPとして、日本に出張していた。その時、米国人の同僚よりもフランス人の彼の英語力は限られているにもかかわらず、日本人とうまくコミュニケーションが取れた。ネイティブでない同士だと、互いに自信を持って話せ、意思疎通がうまくいくことを発見した。
 日本、フランス両国の国民は”面目を失う”ことを何よりも恐れる。わからない単語や聴きとれない言葉を聴き返すことができない。知っているふりをしてしまうのがフランス人であり、日本人である。ただ、お互いに話す際は、英語が完璧でないことを認識しているので、気楽に会話ができる。つまり英語に限界があることがむしろ利点となる。グロービッシュは言語ではなく、コミュニケーションのためのツールである。ビジネス会話には1500語の語彙で充分だといい、1年程度でマスターできると言う。同誌にその1500の基本単語表が附いていたが、全部知っている単語ばかりだった。
 私自身も英語とは長年つきあってきた。にもかかわらず、相変わらず自信を持つことが出来ない。これまでも何度かトライしてきたが、その都度、挫折をしてきた苦い思い出がある。だけど、発想を変えて、非ネイティブ同士のコミュニケーションツールとして考えれば、ずっとハードルは下がる。アメリカンイングリッシュのスラングを覚える必要もないし、あの聴き取れない訛りに苦しむこともない。クイーンズイングリッシュの独特な言い回しや使うのも稀な難しい単語に悩むこともない。何だか勇気を貰えた気がする。娘と一緒にまた英語でも勉強してみますか。