神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

超高齢者はどこに消えたか

macky-jun2010-08-28

 今夏、何ともおかしな事件が起きている。足立区で戸籍上は111歳である老人の白骨遺体が見つかった事件がきっかけとなり、全国に広がり高齢者所在調査が行なわれた。結局、発端となった事件の家族は老人が生きているように装い、遺族共済年金915万円を不正に受給したとして、8/27に詐欺容疑で逮捕された。近所附き合いもなく、生活苦から不正受給を続けた。また、全国調査から100歳以上の不明者は既に279人が判明しており、少なくとも20人以上が不正受給をしているという。おそらくこの人数はもっと膨らんできて、詐欺罪での逮捕容疑者は増えるのだろう。
 また戸籍上「生存」していることになっている高齢者が相次いで確認されており、山口県では存命なら186歳となる男性が現れたと思ったら、ついに長崎県壱岐市で200歳(1810年文化7年生まれ)の男性の戸籍が残っていた。生きていれば、ショパンと同じ年齢らしい。ちなみに坂本龍馬は生きていれば175歳である。戸籍上は江戸時代生まれの人が多数発見されているようだ。日本の戸籍制度というものがこんなにいい加減だったかと驚いている。 
 そもそも日本に最初の統一的な戸籍が出来たのは、1872年(明治5年)であり、壬申戸籍と呼ばれる。だから、その時点で実態とは相当なズレが既にあったようだ。住民票は行方が分からなければ削除できるが、戸籍は死亡届が出されて初めて抹消される。だから、家族揃って移民に出たり、戦争や災害で一族全員が亡くなったりして、死亡届が出されないケースもあるようだ。
 人は生活に困れば、何でもやるものなのか。葬式も出さず、生きていることにして年金詐欺を働く。国の年金管理もいい加減なら、それにつけ込んで金を騙し取る。実に浅ましい。つくづく困ったものだ。こんなことは日本ばかりなのかと思ったが、財政破綻で苦しむギリシャでも似たようなことが起きているらしい。政府が年金の見直し作業に入ったところ、台帳上では110歳以上になっている321人以上が既に死亡していた。こうした対象者に年間約1億ユーロ(約107億円)もの年金が支給されていた。ギリシャでは手厚い年金制度が財政破綻の一因となった。同国の労働副大臣が自虐的に言っていたことが笑えた。「まるで途上国だ」。我が国、日本は途上国だろうか?