神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

夕刊が好き

macky-jun2009-10-08

  新聞の夕刊が好きである。朝刊はだいたいお決まりのパターンで、前日あった事実や事件をジャンル毎に淡々と伝えている。一方、夕刊は一日の仕事を疲れて帰ってきたビジネスマンが、夕飯とビールを飲みながら、読むことを想定しているやに思える。すなわち、緩いのである。まあ、1面〜3面くらいまではその日の重要な事実の伝達である。今日で言えば、ウィニー開発者が高裁で逆転無罪になった、という記事が目を見張った。
 日経では、囲み記事で、例えば「なるほどシェア」で中国向け輸出、米国を逆転、という内容を解説していたり、「目からウロコの投資塾」シリーズの「インド経済を知ろう」に、インドの人口ピラミッドのグラフが載っていた。これを見て、きれいに山型を描いているのに唸ってしまった。80歳以上の人が殆どいないのである。50歳以上の人口さえ1/5もいないのでは、と思える。一方で、5歳から14歳までが一番多いのだ。小学生から中学生だ。この国が将来有望だと言われるのも、人口ピラミッド一つでよくわかる。
 長崎大教授の川村雄介氏のコラム十字路も面白かった。昭和2年の金融恐慌時に書かれた「銀行業務改善隻語」を引き合いに、今の亀井大臣のモラトリアム政策を批判している。江戸時代の棄捐令で、困窮した武家の借金棒引きを認めたが、貸金業者である札差への打撃も大きかったが、一番甚大な被害を被ったのは借りての武家であった。破綻懸念先(銀行ではハケと言う)に指定されたも同然の武家に融通する貸し手などいないからだ。結局、幕府は激怒した札差をなだめるために、公的資金を貸し付け、幕府財政を破綻させてしまう。「隻語」では「今後モラトリアムのごときは断じて施行すべからず。悪習慣を助長し、かつ信を中外に失すればなり」と強調する。歴史は繰り返されるが、それに学ばねばならない。
 さらにページをめくれば、ドンドン内容は緩んできて、音楽、食、ネットサイト、スポーツ・・・となっていく。従兄が「こころ」のページで、文楽竹本住大夫さんのインタビュー記事を書いていた。文化欄は「歴史・時代小説の巨匠たち」で藤沢周平山本周五郎を特集していた。「こころの玉手箱」は女優の草笛光子さんの話だった。忙しい朝に読む朝刊よりは、夕刊の方がじっくり、ゆっくり楽しみながら読める記事が多い。今日は日経新聞を例に挙げてみたが、朝日新聞も同様である。就活を迎え、新聞をじっくり読み始めた娘は、当初、朝刊しか読まなかったが、夕刊も読むようにと奨めたのは最近のことだ。生きていく上では、幅広いジャンルを扱う夕刊から、より多くのものを吸収できるようだ。