神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

神楽坂のおでん屋「恵さき」にて

macky-jun2008-11-25

 飲み友達のO君が関西に赴任することとなり、送別会をと誘ったら、今日か明日がいいとのことで、早速今晩することにした。神楽坂のおでん屋「恵さき」に初めて行った。ここはいつも行く理髪店の主人から教えて貰った店で、鳥茶屋別館に入る小路の入口にある、静かな落ち着いた店だ。まずはおでんを大根、つみれ、がんも、牛スジを頼む。O君も「それを×2でお願いします」と付き合いがいい。ここは驚いたのだが、おでんが一つ一つ別の器で出てくるのだ。しかも、汁とか味付けがそれぞれ違っており、とても上品な感じだ。器やその出し方でおでんも高級感のある料理に化ける。庶民的な食べ物であるおでんが高級である必要はないのだが、時にはこうした愉しみ方もあるのかと思った。ビールから始まり、すぐ焼酎に。「今の季節は芋のお湯割りだね」とまたまた意気投合し、途中、牛蒡と胡麻の焼酎に変えたりするものの、共に都合6杯は飲んだ。 
 刺身は1人前を2人で突いたが、平目と鯖と鮪の3品で、とても美味しかった。平目の味が濃厚だった。また、これだけ鮮度の良い鯖はなかなか食べられないのでは、と思えた程だった。という具合に、料理も酒も堪能したわけだが、京都丹後の出身で京都大学卒、入行後すぐに大阪勤務であった、関西人のO君は久々の関西勤務である。当然、東京に自宅がある彼は単身赴任となるのだが、単身寮生活も久々の独身寮体験と前向きに捉えてるし、何より郷里丹後で独り暮らすお母さんに最期の孝行ができると悦んでいた。何事もPositiveに捉えていくのが、彼の良さであろう。
 O君と話している中で、素晴らしい示唆を頂いた。我々が既に20数年も仕事をしてきた中で、バブルを3〜4回経験し、その崩壊過程をつぶさに見てきて、その都度係わっていた仕事で、時にダメージを喰わされつつも、苦労しながらも貴重な体験をしてきた。まさに経済の最前線で味わってきたことを、伝えることができないかということである。確かに、先の80年代の不動産・株式バブルとその崩壊については先達が既に書き尽くした。そして、97・98年の日本の金融危機、2001年ITバブル、05・06年のリスクテイクバブル(ネット投資家・ファンドバブル、新興市場バブル:名称はいっぱいあるけど、まだ定まっていない)については、最近の学者や評論家たちが沢山書いている。このブログでも幾つかは既にご紹介をしてきた。この一連の20数年にも及ぶバブルとその崩壊を一気通貫で、書いている人はいないのではないか。まして、ビジネスの現場で体験してきて、これを書いている人はいないのではないか、というのが問題意識であり、我々こそこうしたテーマで体験してきたことが書けるのではないか。いや、書くべきではないかということである。
 我々と同じように銀行出身の作家としては江上剛がいる。彼は退職した後に、小説というスタイルで銀行時代体験した事を書いているのだと思う。名前を始め、多少の創作はあろうが、けっこう実際にあったことから書いているのではないかと思える。「非情銀行」とかいくつかの作品は銀行にいた者でないと書けないリアリティーがあり、そこは高杉良の一連の金融小説とは違っている。高杉はまったく外の世界の人間なので、時に芝居がかり過ぎており、現実から乖離しているのが如何にも嘘っぽい。それを江上は小説という形で、巧くヘッジしながら書いたのだろう。やはり、現職で体験したことを本に書くには、なにかと最近うるさくなってきたコンプラに抵触するリスクも高く、難しいことなのだろうか。

 神楽坂「恵さき」http://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000718001.html
早速、年末の忘年会の予約を入れてしまいました。今度は掘り炬燵の奥座敷です。