「襟裳岬」

macky-jun2009-01-18

 風邪も概ね抜け、二週間ぶりにジムに行ってきた。やはり体を動かすのはとても気持ちがいい。何だか気持ちも元気になり、市ヶ谷から飯田橋まで外堀沿いを歩き、ブックオフに寄ってくる。なんと、森進一の「襟裳岬」が聴きたくなって、CDを探しに行った。作曲者の吉田拓郎のバージョンでもよかった。250円、500円コーナーから順を追って探して行くが、全く無い。結局、一番高いコーナーで最新版のベストが2,450円(正価は3,000円)で安くない。5年前のベスト盤12曲入りを950円(正価1,680円)で買うことにした。お目当ての「襟裳岬」のほか、「冬のリヴィエラ」そしてあの「おふくろさん」が入っているのだ。森進一とか吉田拓郎とか岩崎宏美のCDはブックオフでも、あまり安くはならない。この手の(というか本格的な)歌手のCDは、流行とは別世界なので、持ち主が手離さないからだろうか。結局、山下達郎「TREASURES」(95年のベスト盤)を500円、小田和正「Sometime Somewhere」92/1を250円の計3枚を1,700円で買ったのだった。
 1,000円以上買うと、福引抽選が出来、見事300円の買い物券をゲット。それで、本も3冊「ルポ東京再興」島田章著(日経)、「バレエの宇宙」佐々木涼子著(文春新書)、「超実践!ブログ革命」増田真樹著(角川新書)各105円で購入。CDをいつもよりは高めで買ったが、本がおまけに付いてきたようだ。久々のブックオフはまずまずの収穫であった。
 神楽坂の横丁に入り、路地を散歩しながら帰った。日曜の午後の街は賑わいがあり、楽しい雰囲気だ。かくれんぼ横丁の辺りは石畳が拡張され、黒塀の設えで、新しい店が幾つか出来ていた。蕎麦屋、イタリア料理屋、和食や、和牛一頭仕入を売り物にした焼肉屋等、楽しそうな店がたくさん出店していた。神楽坂が街としてブランド力を持つようになり、新たな店が知らぬ間にどんどん新規に出店して、新陳代謝を繰り返しているようだ。
 日頃、演歌とか流行歌を聴かぬ小生が、森進一の「襟裳岬」に興味を持ったのは、年始に放送された森進一の人生を特集し、「おふくろさん」に秘められたストーリー」の番組を観たことがきっかけである。森進一は貧乏な家庭に生まれた苦労人で、歌手になったのも母親や兄弟を楽にしたかった、ただその一念でひたすら頑張ってきた。その彼が、弟を医大に出し、妹を嫁に出しと順調に目標を果たしてきたが、ある日、彼の妄信的なファンが彼の子を身籠ったという全く謂れのない訴訟に巻き込まれ、お母さんが自殺をしてしまう。彼はただ家族の幸せを願って、歌手活動をしてきたのに、たまたま有名になったことで、その幸せを失ってしまった。一番幸せになって貰いたかった「おふくろさん」に先立たれてしまう。お母さんはまだ47歳という若さだった。彼はその時点で生きる目標を失ってしまった。
 そんな時に森が出会ったのが、吉田拓朗が作曲し、岡本おさみが作詞した「襟裳岬」というフォークソングの曲だ。これまでの作曲:猪俣公章の路線からは大きく違うジャンルだ。彼はこの曲の「日々のくらしはいやでも やってくるけど 静かに笑ってしまおう」という歌詞に、思わず今の自分の胸中を重ね合わせ、深く感じたものがあった。この曲はヒットし、彼は歌手としても復活を遂げる。そのあと、彼は作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一の「冬のリヴィエラ」を歌い、今までのイメージを変えていく。しかし、森進一は私生活では大原麗子森昌子と結婚し、いずれもうまくいかなかった。つくづく、苦労人という感じが彼には付きまとう。
 北の街ではもう 悲しみを暖炉で もやしはじめてるらしい わけのわからないことで 悩んでいるうち おいぼれてしまうから だまりとおした歳月を ひろい集めて暖めあおう 襟裳の春は何もない春です  
 日々のくらしはいやでも やってくるけど 静かに笑ってしまおう いじけることだけが 生きることだと 飼い慣らし過ぎたので 身構えながら 話すなんて ああ 臆病なんだよね 襟裳の春は 何もない春です                            寒い友だちが 訪ねてきたよ 遠慮はいらないから 暖まってゆきなよ